c71の一日

生活の記録

サービス残業と精神病

わたしは、サービス残業をして精神を病んだわけじゃないけど、思いついたことがあるので書く。

仕事を辞めてから、すごく楽になった。それは、仕事をしていないからじゃなくて、新しい仕事に就いてからも変わらない。
新しい仕事は、福利厚生が全くないものの、サービス残業がない。
営業活動が多少あるが、営業がうまく行けば、自分のお金になる。

サービス残業をしているとき、仕事がいやでいやで仕方がなかった。
上司もサービス残業をしているのだが、理不尽に感じて、上司が尊敬できず、できない仕事がますますできなかった。
仕事の不出来が、そんなことに左右されてはいけないと思うが、良い上司だったのに、尊敬ができなかった。
尊敬ができないと、仕事の指示を受けるのも、なんとなく、だらっとしてしまった。
サービス残業をすると、定時内の仕事にすらやる気がなくなる。どうせ帰れないんだしと思う。
帰れないし、残業代は出ないし、やる気は出ないし、いてもいなくても変わらないし、と思うと、頭がごちゃごちゃして、一生懸命仕事をするという感じになれなかった。

(だから、いつも空気を読まずに、仕事が終わらなくても帰っていた。どうせ、仕事の終わりがはっきりわかるような仕事はしていなかったし)

わたしが特段だめなせいもあると思うけど、わたしのように感じる人もいなくもないと思う。
悪い会社ではなかったし、いろいろと教育も受けさせてもらえたけど、サービス残業がとても嫌だった。

精神病にならなかったら、仕事は、嫌だなあと思いながら続けたと思う。

わたしの考えでは、たとえ先細りの分野でも、会社にしがみつくのは、とてもいいと思う。金属が長ければ、再就職もうまくいきやすい。大企業なら、その名前だけで転職もできる。だから、ぎりぎりまで、持ちこたえられるのだったら、たとえ、リストラされるまで、仕事をしていればいいじゃないかと思う。

でも、わたしは精神病を患って、仕事を辞めなくては行けなかった。
それで、仕方なく就いた仕事が、案外悪くなかった。
続けてみたわけじゃないから、わからないけど、今のところ、楽しい。
サービス残業がないのも良い。

サービス残業は、人の命を奪うこともある、重大な犯罪だ。
実際に多くの人が毎年亡くなっている。
サービス残業の恐ろしいところは、サービス残業が横行している会社では、なるべく早く帰すというモチベーションがないため、社員が無制限に会社に拘束されてしまう。
お金を払う会社なら、なるべく残業させないことの方が会社にとってお得だし、残業代を払わないリスクよりも払ってしまった方がお得度が高い。
サービス残業をすると、精神を煩ってしまうことが多いのは、まず、時間の拘束性が高いことがもちろんあって、その次に、サービス残業をさせるような環境しか用意できない会社であることが、労働環境として劣悪なのだと思う。
それに次いで、サービス残業という理不尽な目に遭っていることで、毎日、心が削られていくことも、小さなことではあるようだけど、見逃せないことだと思う。

だから、向いてないことや、苦労に感じること、嫌なことは、辞めてしまってから、なんとかなることもあるんだと思った。
なんとかならなかったらどうするんだと思って、きりきりするよりも、「そのときの自分がなんとかするよ」と思って、おくのも良い。
わたしは精神病を患って、サービス残業のある会社を辞めた。新しい仕事も、福利厚生の面では、全く何の保証もないし、病気になったときどうするんだという感じもあるけれど、それはそれ、これはこれである。