c71の一日

生活の記録

整形したかったときの話

ちょうど一年前、わたしは整形したくてたまりませんでした。
整形すれば、人生が変わるはず、と思っていました。


わたしは、そのころ、人生が全然うまくいっていませんでした。
精神病の症状もマックスに出ていて、外に出るとパニックが起き、二番目のおかあさんと話している最中に取り乱して泣き叫び、仕事はなく、養われることが恥ずかしいし、自分の人生を奪い取られていたことに気づいたばかりだったので、人に対しての恨みつらみも強かったです。

どうしてこうなってしまったのか、を考えるよりも、人を憎んでいました。
怒り狂い、暴れ回り、眠れず、という感じでした。


思い詰めて、どこの病院がいいのか探したり、家族に整形したいという話ばかりしたあげく泣き出したりしていました。


とにかく自分の顔がいやで、醜く感じていて、自分が汚いから顔だけでも綺麗にしたらその分魂も綺麗になれるのだと思っていました。


そのあと、ダイエットにはまって六キロ痩せます。それは見事にリバウンドするのですが。


整形して痩せたら幸せになれるはずと信じて疑っていませんでした。
だから、そうでない、今の自分は不幸だと思っていました。


顔の嫌いなところや、シミが気になって気になって、ずっと見ていました。
他の人からしたら気にならなかったのに。

ある日、Dr.シーラボで相談して、シミを薄くするクリームを付けました。
そうしたら、気のせいかシミが薄くなったのです。

それを経験したあと、「シミはいつでも薄くなるんだ」という安心感を得ました。
そうしたら、シミに対する執着が減りました。
わたしが気にしなくなったら、話題にもならなくなり、わたしは、いつしか、シミが全然なくていいなあ、と言われるまでになりました。


仕事を始めたら、整形したい気持ちは減りました。
生徒さんはわたしが可愛かろうがそうでなかろうが、勉強しにきていたからです。
そして、私のことを好きになってくれました。
好きだから、わたしのことを可愛いと言ってくれます。

わたしの価値は外部に置かれて、評価され始めました。
そうすると、同時に、わたしは整形したいという気持ちが薄れ始めました。


その後、執着するものが服に変わりました。
ひらひら、ふわふわした幼い服が着たくなりました。これは家族に苦言を呈されましたが、わたしとしては、整形をしたいと思い詰めているときよりも幸福になりました。

外部に要求が移ったわけです。また、自分の顔を失敗するかもしれないばくちにかけることの怖さがなくなりましたことは、良かったと思います。


今は、セクシーボンバーな、ドレスが着たいです。どこに着ていくんじゃ、みたいな服です。でも着たいんです。


わたしの場合は、整形をして顔を綺麗にするというよりは、顔が綺麗になれば、人生何もかもうまくいく、若い頃の顔に戻って人生をやり直したい、という逃避の姿勢で、整形をしたかったのです。
今は、借金をしながらでも、好きな服を着ているので、収まってきました。


太っていることも、食べ過ぎることも、暇で、充実していないからなのでは、とうすうす思います。


もっと強い人間になって、相手に、わたしの素晴らしさを分け与えられるくらいになったら、わたしはさみしくなくなるのだと思います。それを張りにしたいと思います。