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c71の一日

生活の記録

呪いが解けた気がした

呪いが解けたなー、とふっと思った。


それは、クレジットカードの精算額を見たときにだったのだけれど、これだけ思う存分買ったし、いいかなあ、と思った。すごい額で、驚いたけれど、買ったしなあ、と思った。買って、嬉しかった、今まで着ないような服を、思い切って買ったんだから、良かったなあと思った。
無駄遣いには違いないけれど、でも、わたしには無駄じゃなかった。旅行に行くよりも旅みたいなものだった。ずっと遠くに来た。新しい経験をたくさんして、いろんな人と出会った。
わたしって、これだけ買えるんだなあと思った。前だったら、「買ってしまった!」と思って、ショックを受けたと思うのだけど、あまり、ショックを受けなかった。
これからは、安物を買わずに、高いものをきちんと試着してから買おうとは思ったけれど、あまり、反省しようとは思わなかった。死にたくもならなかったし、そのことにびっくりした。

まだ、綺麗系の服装を試していないから、これから、買ってみたいけれど、別に焦らなくてもいいかなあ、と思った。
欲しい口紅もあるけど、そんなに高いものじゃないから、ぼちぼち買っていけば良いかなあ、なんて思う。


なんでか、焦っていた。早く、綺麗になりたい、って思っていた。


わたしは、二キロ十月に太って、一週間で二キロ痩せた。
ごはんをちゃんと炊いて、三食食べて、毎日一時間歩いたら痩せた。
びっくりした。ごはん、お腹いっぱい食べてもいいんだ、って思った。スープとごはんだけだけど、けっこう満足する。今日は、ロールキャベツ作った。



ジムにも入って、まだ、あまり通っていないけど、痩せるために、いろいろな一歩を踏み出したし、コンビニでバイトをはじめたことも、わたしにとって、大きなことだった。
コンビニのバイトは難しそうだったし、わたしが面接で受かるとは思っていなかった、接客の仕事だったら、仕事につけたことが何よりも嬉しかった。そして、複雑な仕事をこなし、人間関係もそれなりにこなしているから、本当に嬉しい。


わたしは、結構うまくやってる。


なんで、生きるのか考えていた頃は、生きることをしたくないことだったから、それで、理由が欲しかったんだと思う。いやなことをするときには理由が欲しくなるものだと、生徒さんを見ていても思う。勉強いやだと、なんで勉強するんですか、って聞きたくなる。それを聞くのは馬鹿な子だ、という意見を見るけれど、質問ができる子は賢いと思う。なぜ、やるのか、疑問に思わないでできる子は、便利に使われてしまう。
そういう子には、できるようになることで、楽しさがわかることもあるんだよ、だまされたと思って、やってみよう、と言う。

話が脱線したけれど、わたしは生きるのがつらかった頃、なんで、生きるのかわからなかった。
だまされたと思って、生きてみた。やりたいことをしてみた。買い物もたくさんした。楽しかった。


欲しいものを手に入れるのは気持ちがいい。気分がいい。楽しい。自分に似合うものを、探す旅をしたのは、本当に良かった。お金はたくさんかかかったけれど、わたしには必要なことだった。
欲しいもので頭がいっぱいになって、そして、そのまま、買う、という快感と、幸福感は一生の宝物になると思う。


今後、こんな風に、欲しいものを欲しいだけ買う、なんてことがずっとできるわけじゃないのは、わかっている。これからは貯蓄もしていかないといけないし。
今を楽しめて良かった。
わたしが綺麗な装いをして、褒められて、してみたかったけれど、チャレンジできなかった服装をして。
古い服を捨てて、ヒールのある靴を履いて。女らしい服を着て。ずっと憧れていた、女らしい服。
わたしは、女らしい服が大好きだ。とても癒される。便利な服よりも、着心地が良くて、ふんわりして、色の綺麗な、女らしい服が好きだ。
化粧も大好きになった。家にいるときでも、口紅をつけているくらいだ。鏡を見て、うっとりしている。口紅をつけると、顔色がぱっと華やかになるし、いいにおいがするし、とにかく楽しい。
髪の毛にパーマをかけたのも、色を染めたのも、冒険だった。
わたしの冒険は、成功した。
わたしは自分を取り戻した。やってはいけないこと、くだらないと言われていたことをした。それらは全部楽しかった。周りの人も、綺麗になったと褒めてくれた。わたしはとても幸せな気持ちになった。うっとりした。

もう、心の中で、おかあさんの声はしない。
こんなものを買って、と言う声がしない。

わたしは買ったものをしまい込まない。押し入れに入れない。
ちゃんと袋から出して、使う。
飾っておかないで、着る。
古くなっても良い。服は消耗品なんだから、そのとき、楽しかったら良いんだ。
大事にしすぎて着ないのはもったいない。
おかあさんみたいに、高い服だから、と言って、着ないですごして、不平ばかりいうことは、しないで済む人生に変わったんだ。

化粧品のカウンターがずっと怖かったのだけど、ボビィブラウンのカウンターのお姉さんとなら、楽しく会話できる。
ボビィブラウンのお姉さんは、製品を愛しているのが伝わってくるから、話していて楽しい。
そういう好きなブランドができたのも嬉しい。
わたしは、ボビィブラウンと、ディオールが好きだなあ、と思う。好きなものがあるのはとっても良い。サイトを見て、考え方を見るのも好きだ。ブランドには、それぞれの考え方がある。そういうのが知ることができたのも嬉しい。


エステにだって、行けるようになった。
プロの手を借りて、自分がどういう特徴があって、どういう良さがあるのか、冷静に教えてもらえて、自分がそれほどブスじゃないことがわかった。
良いところを見つけてもらうのに、お金を払うのはいい気分だ。
わたしだって、生徒さんの良いところを探すためにお金をもらっている。
同じ交換だ。
わたしは、良いところを教えてもらうために、プロに、自分が綺麗になるためのアドバイスをもらう。
そうして、失われた時間をショートカットして、手に入れる。

世の中には綺麗な色の服がたくさんある。社会的な決まりに沿って、服を着るのは、したくない。
この年だからベージュしか着てはいけないとか、ピンクがモテるとか、そうじゃなくて、わたしは、ベージュが好きだし、ピンクを着ると気持ちが上がるから、選ぶ。


気持ちが上がるために、お金を使うのは無駄だと思っていたけれど、気持ちを一日でも上げられたら、それで、一日生き延びられるんだったら、それでいいじゃん、って思うようになった。
わたしは、それで良いんだ。

毎日、工夫して、気持ちを上げて、おいしいものを食べて、楽しく暮らす。
それが、生きる秘訣なんだ、って気がついた。


今は、生きるのが上手になったから、わかる。


わたしが生きている理由は、楽しいから。幸せだから。幸福だから。満たされているから。だから、明日も楽しみだから、今日眠ったら、朝起きるのが、楽しみで、それを続けたいから、だから、生きていたい。

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