文学フリマの本の感想を書きます。
えりこ新聞
えりこさんの生活保護を受けている精神障害者が働くまで(仮)を読んだ。
力強いルポである。
彼女の賢明さ、まじめさ、ユーモアが伝わってくる。物事を正確に、観察する力は、彼女自身の心にも及んでいる。
行動力も素晴らしい。事務所に自分で電話をかけて、仕事がありませんかと聞くくだりには感動した。
誰もがそんな風に行動できるわけじゃない。本当にえりこさんは働きたかったのだ、と思った。
そのあとも、パートに採用されるまで、無給で通い続ける、というのも、彼女のまじめさがなせる技だ。
彼女はいろんなところで、信頼され尊敬されているが、それを男たちに利用されてしまう。そして傷ついて薬を飲む。
彼女の傷は、彼女のせいじゃない。と、何度も言いたくなった。
22ページの生活保護を抜け、誓いを立てるところが胸にぐっと迫る。