c71の一日

生活の記録

母親の記憶

わたしは記憶力が良く、嫌なことはずっと忘れない。何年前に何月頃にこういいましたよね。という言い方をしてしまう。
勉強でも何でも良く覚えられる。全然忘れない。

それで、頭がだんだん重くなってきた。
病院で忘れるようにしなさいと言われたので、努力して、忘れるようにしたら、だいぶできるようになった。
抗うつ剤にそんな効果があるのかわからないけれど、昔の嫌なことを思い出すことも減って、気が滅入らなくなった。

そうしたら、母親のことをどんどん忘れてきた。
どんな人だったのか思い出せない。
一緒にいるとあれだけつらかったのに、今思い出せるのは口臭くらいだ。

忘れられて、かわいそうだという気持ちもある。
あるけれど、客観的に見て、彼女はかわいそうではない。わたしの方がかわいそうだ。
わたしの中に、母をかわいそうだと思う気持ちがある限り、会ってはいけないと思う。
かわいそうだと思う気持ちを作られて、それを利用されて、支配されて、言うことを聞かされていたから、母親をかわいそうだと思ううちは、暴力の影響下にあるということだ。