c71の一日

生活の記録

嘘とコミュニケーション

皮膚科の先生が「普通、コミュニケーション能力っていうときには、自分にどれだけ嘘をついて、人に合わせて、我慢できるかを言うんじゃないかな。
たぶん、自己開示という意味で使っている人ほとんどいないと思うよ」と言った。

そうなのかーと思った。


それで、嘘について、コンビニのオーナーさんにも聞いてみた。
「嘘をつく人や印象が悪い人は、大人だと採らないけど、高校生なら採っちゃうね。あー、この子印象悪いなーと思っても、成長するし変わるからねー。嘘ついてもね、ああ、分かる許せる嘘なら、良くなること多いしね、信頼関係が出来ると嘘つかなくなるし。ちゃんと時間通りに来てくれさえすれば良いんだよ。それか連絡してくれたら。愛想が良くて嘘つきの子はだめだね」と言った。


わたしも生徒を教えていると「調子のいいことを言う子」って要注意だと思ってる。
調子のいい子、感じのいい子は、相手に合わせた嘘をついてその場をやり過ごして、あとからもめ事を起こす。



働く前は、嘘つきは良い思いをしていて、正直でいることで馬鹿を見る、と思っていた。
人にかわいがられているように見えた。
だけど、普段の暮らしの中で正直を通していると、嘘でも良いから耳障りの良いことを言ってほしい人たちはいなくなって、耳に心地よくなくても本当のことを言ってくれる方が良いと言う人たちが周りに残った。



正直を通していたら、人に信頼されるようになった。
塾の営業も普段から正直に言うようにしているからか、言うことに説得力を感じてもらえている気がする。
いつも正直でいるから、「この夏期講習が必要です」と言うのも「本当に必要で言ってるんだな」と受け取ってくれている気がする。
正直でいるためのこつは、言い回しやものの見方を広くもつことだ。
そうすると、相手は気を悪くしない。
そそっかしいから、問題を良く読まないから間違える子だったら、そう言うし、どう伝えるかと言うと「右足を出してと言われても、右って単語に反応して右手上げちゃうみたいな間違いが多いんですよ」というと、保護者の方も「そうそう、この子そういうところがあって」という話になる。


成績を上げることも大事なのだけど、成績をすぐに上げられなくても、生徒のことをきちんと把握しているってことで十分補えると思っている。成績が伸び悩む時期というのは必ずあるから、その間、親御さんの心配事や悩みを良く把握することが大事だ。
親御さんが一番悩んでいて、相談できる相手もいないし、比較対象もいないから、自分の子育てが合っているか、自分の感じ方や考え方が正しいかどうか、話しをしたがっているといつも感じる。
親御さんは孤独だ。だから、親御さんの力になりたいと思う。


成績を上げられない時期には、計画をお伝えするのも良い。
「今、成績が伸び悩んでいる時期です。
だから、どうするか考えているのですが、点を落としているのは、全部の科目に共通するのは文章題のようです。何を聞かれているか、をきちんと読まずに回答しています。だいたいのことを読み取ってはいますし、知識もありますが、聞かれたことに対応したことを書いていないから、点が取れていないのです。本人はケアレスミスと片付けていますが、ケアレスミスじゃなくて、読み取りミスなんです。

だから、数学や理科を上げたいとしても、文章を読む力が弱いから、まず、国語に取り組んで、回り道のようでも、それが結果的に点数を上げます。
理科は実験の様子が読み取れる力がないと出来ないし、数学も文章を式に翻訳する力が必要で、それは国語の力なんです。また、歴史も教科書が難しくて読めなかったり、ものごとの関連性を結びつけられなかったら、暗記が得意でも、やりにくかったりしますから、そういう総合的な考え方でやります。」と説明して、わかってもらえなかったことはない。



子どもの頃、嘘がつける人がうらやましかった。
大人になってからも、若かったときは嘘をついて誤摩化せる人がうらやましかった。
だけど最近、正直も悪くないなと思うようになった。
働くって言うのは、長い時間人と一緒にいることで、関係も育てていくことだ。
だから、嘘はやっぱりばれてしまう。


本当のところで人付き合いをしていると、ストレスが少ない。
見栄をはることもない。
かといって、卑下することもないし、露悪的になることもない。
今までで一番良い感じだ。