ある日のこと

ある日、わたしは、会社の帰り、雨の中歩いていた。十時くらいだったと思う。 そうしたら、足音が、わたしを追いかけていることに気づいた。 曲がっても、曲がっても、同じ道を歩いてくる。 わたしは立ち止まった。すぐ背後で、足音も立ち止まった。 背筋がぞっとした。 後ろから手が回って来て、わたしを拘束した。 わた…