c71の一日

生活の記録

生徒さんのやる気を伸ばすためのお金の話

わたしは、あんまりお受験ぽい教え方をしません。それは、あまり受験に興味がないからです。生徒さんには勉強ができるようになってほしいし、できたら、勉強が好きになってほしいと思っていますが、偏差値の高い高校に入ることが一番だとは思っていません。


勉強を好きになってほしいのは、頭は使わないと悪くなるので、好きなことがあればそれを頑張ってほしいのですが、なければ、一般教養を学ぶのは悪いことではないので、どうせなら好きでやってくれると手間が省けていいからです。
教養がなくても生きていけます。
かけ算はどうしてもできるようになっていてほしいですが、あとは、やることがないから、やってるんだと思っています。ベン図は役に立つけれど、チェバの公式は使う場面がまずありません。ないけれど、チェバの公式を使いこなすときにつなげたシナプスを使っていることもあると思います。
ベン図を教えるためには証明の概念が必要です。
だから、あっても邪魔にならない知識を教えるためには、邪魔な知識を経由するものだ、ということが、こちらにはわかっていますので、生徒さんにはそんなはなしをします。



成績の良い生徒さんは、ほっといてもできるので、特に言うこともないしやることもないです。悩んでいたら相談に乗るし、わからないところがあれば教えます。
わたしは、成績の振るわない生徒さんのことを褒めたたえて、やる気を出させることにやりがいを感じます。
成績の振るわない生徒さんは、バカとか頭が悪いとか言われ続けて、落ち込んでいるからです。

わたしは、暗記が弱い生徒さんがいるのもわかるし、理屈が苦手な生徒さんがいるのもわかるけれど、普通に話ができる生徒さんなら、頭が悪いとは思いません。


苦手な部分があるだけです。

わたしは、家事が死ぬほど苦手でコンプレックスですが、わたしのことをバカだという人はいません。それは、たまたま勉強のジャンルが得意だったからです。
勉強が苦手な子は、家事が得意だったりスポーツが得意だったりする子が多いです。
わたしよりも、生活力があります。わたしは正直に言えばそっちの方がいいような気がします。
そういう子はバカではありません。
巡り合わせが悪かっただけです。


だから、できることを伸ばせばいいと思います。
とはいえ、一時期は勉強は必要なので、それはさせます。
眠くならないようにいろんな話をします。
特に女の子はお金の話をします。

一人暮らしをするには十九万円くらい稼がないと、おしゃれを楽しんだりデートしたり、遊び回ったりする生活は厳しいという話をします。若い頃はいいけれど、三十代になってそれだときついし、結婚するにしても、しないにしても、お金は必要だよという話をします。
家賃が五万円かかって、食費、光熱費で三万円、ネット代携帯代で一万円、それで、九万円なくなります。他に年金と健康保険と税金を払わないといけません。

だから、たとえば、スネイブルの服が欲しいとするけど、一着一万五千円すると、いくら稼ぐと買える生活ができる?と計算させます。
そうすると、「手に職をつけることの重要性」をわかってもらいやすいです。専門に行ってからも成績優秀だと、就職先もいいところを紹介してもらえるという話をしています。


高校に入ってから、進学校じゃなくても、塾に通ってもらっている子には、専門学校に推薦で入って学費免除を狙おうと言っています。そうしたら、中学生の頃よりも成績がみんな伸びました。親御さんは、娘さんが「手に職をつけるために専門職になる、学費免除と推薦を狙う」という台詞を聞くと感動してくれるようです。