尼のような子を読み終わりました
何か面白いことを書こうと思ったのですが、面白いことが一日に存在していないので書けないな、と思いました。
今日は、尼のような子を読み終わりました。
- 作者: 少年アヤ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2014/03/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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真っ暗な中をひたすら疾走、そして失踪していくような文章がまぶしかったです。
愛するものに対して、歪んだ熱さを持って走っていく情熱が、うらやましいような気がしました。
わたしは、そうしたい気持ちもありながら、破滅するのが怖くて、自分にストップをかけているのだと思います。
最近の少年アヤさんのブログを読んだら、もう走る必要がなくなったのかな、と思いました。
一時期の文章は危うげで、読んでいて苦しくなるようでしたが、最後には力強く去っていたので、素晴らしいと思いました。
少年アヤさんは、わたしよりもずいぶん若く、早く親離れができてよかった、と思います。
わたしは親離れがなかなかできませんでした。
少年アヤちゃんには、生きる情熱があって才能もあって、みんなから注目されていてうらやましいなと思います。
わたしには何があるかな、と思います。
少し前に読んだミニコミで、事務員であることが耐えられずに仕事を辞めた人の話がありました。
わたしはそれを読んで惜しいなと思いました。その人は面白いことをする自分でいたいから仕事を辞めたのだと書いてありました。
わたしは、普通の人が、普通に働く物語が読みたいと思いました。
わたしには、それはできないので。
だから、わたしがいくら自分のことをつまらない人間だと思っていても、自分が思っていることを淡々と書いてけば、誰かが面白いと思ってくれたり、気が楽になると思ってくれたり、するのだろうな、と想像します。
わたしは自分自身の文章を読み返すとき、だいたい、面白いなとかつまらないなとか、自分のことを忘れて読みます。
だから、やっぱり少年アヤさんの素晴らしさとわたしの素晴らしくなさを比べても仕方がなくて、わたしと少年アヤさんとは全然違う人間だけれど、わたしも少年アヤさんも、文章を書きたいうちはたくさん書いて、読んでもらって、読んでもらう規模は全然ちがうわたしたちだけど、文章を書くところは同じだし、きっと願っているものも同じだから、いいな、と思いました。
それで、わたしはつまらない日でも面白くないなりに文章を書こうと思いました。
そうしたら、一日が面白くなかった人に、他にも一日が面白くなかった人がいるんだなと思ってもらえると思います。
それがわたしにできる一番いいことだと思います。