c71の一日

生活の記録

メンタルに問題を抱えた生徒さんとの接し方

個別塾には、集団塾になじめない生徒さんが多く来ます。
その中には、メンタルに問題を抱えた生徒さんもいます。


たいていは、親御さんも、生徒さんも自信を喪失してきます。
だから、「絶対に味方だ」ということを強くお伝えします。
生徒さんには「わたしは親御さんからお金をもらっているから、絶対に味方なんだよ。そのためのお金だからね」ということも話します。
根拠なく味方だと言われるより、対価をもらっているから味方なんだ、というほうが、子どもは信じてくれる気がします。


寡黙な生徒さん、動きが止まらない生徒さん、授業に興味が持てない生徒さん、いろいろいますが、心の中ではいろいろなことが起きています。
そのいろいろなことを、読み取って、こうかな?どう思ってるのかな?わたしは今こういう風に感じているんだけど、それは近いかな?という風にお話ししていきます。


もちろん、主眼は勉強です。でも、勉強ができない気持ちだったら、それを尊重します。
そして、勉強は、「必ず道筋があって、わけのわからないことも起きないし、勉強自体が、あなたを迫害したり、怒ったり、傷つけたりしないから、勉強の世界は安全なんだ」
「勉強すると、大人になってから、自分の暮らす環境を選べるし、嫌いな人と会わなくて済むようになるんだ」
「なぜなら、今のわたしがそうだからね」って言うことを話します。


表情が硬かった生徒さんが、少しでも和らぐと、天にも昇る心地です。
親御さんはそういうところも見ていてくれているので、必ずしも、すぐに成果が出なくても、三か月くらいは待ってくれる気がしています。



こちらが、肝に銘じないといけないのは、
「表面上は何も起きていないように見えて、無気力に見えても、心の中には嵐があって、いろいろ考えている。
それを外に出す練習をする場にしていきたい」ということです。
無理やり引っ張り出すのではなくて、にじみ出てくるものを大事にするということです。



話せない子は何も考えていないと思われがちです。でも、心の中にはいろいろなことが起きています。
その困惑につきあうことが大事だと思います。


そのためには、安全な場だということを伝えること、心の中の出来事を伝えるために、語彙を増やすことを目標にします。


いろいろがあっても、出せない子は、語彙が少なかったり、自分の気持ちに気づかなかったり、自分を出すことで迫害されることを恐れている場合が多い気がします。
あとは、時系列に話すことが苦手だったり、だれがいつどこで何をしたか、ということを話すと分かりやすいことをそもそも知らなかったりする場合が多いので、そこは国語で鍛えます。
そして、理屈だって、物事を話せることを目指します。


わたしが自閉症だから、気持ちがわかるなんて、おこがましい事は思わないのだけど、黙っている心の中で、いろいろなことが起きているはず、って思えるのは、利点かなと思えました。

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