c71の一日

生活の記録

軽トラさんに電話をしたら、風邪を引いていた

信長のシェフが九時に終わったと勝手に決めて、電話をしたら、まだやっているということだったけれど、軽トラさんが別にいいよ、と言ってくれたので電話で話した。

別に用なんてない。
用件なしで、電話ができる関係になったのは良いことだ。こちらから電話をかけることの是非は、討論を待たなくてはならない。


軽トラさんに、生徒さんが辞めてしまうと言う話をした。
お金の問題ではなしに、さみしい。それに、心配だ、ということを話した。
生徒さんの中には、先生に聞けると思うから、自習ができるタイプの子がいて、その生徒さんは、まさにそのタイプなのだ。
わからないところがあっても、付箋をして、次に行けばいい、と思えると勉強ができるけれど、わからないまま、一人だと、それであきらめてしまうのだ。大人でも、自分の力でどうにもできず、誰の力も借りられないことがあれば、最初からできないものだとあきらめてしまう人は多いと思う。


そういう話をした。

塾は難しくて、成績が上がらないと、辞めてしまう人もいるし、成績が上がれば、もう心配ないと思って辞めてしまう場合もある。心配がない子ならそれでいいのだけど、また、成績が落ちて、気持ちが落ち込んで、戻ってくることを考えたらつらい。戻って来れればいいけれど、きっと難しいだろう。おそらく、経済的な理由で辞めるのだけど。学校の先生は多くの生徒さんを見るので、生徒さんの小さい、疑問やつまずきにまで寄り添ってくれることは残念ながら少ない。
理想の教育は学校ですべてが終わって、塾なんて存在しないのが良いと思うのだけど、そうも行かないようだ。




花火の話はあまりせず、軽トラさんの仕事の話を聞いた。
たてまえ、といって、家の骨組みを最初に作る仕事を二日続けてやったそうなのだけど、雨にぬれたせいで、体が冷えて、熱が39度もあるらしい。でも、仕事が休めないそうだ。
自営業はこういうところがつらいと思う。


わたしも基本的には休めないけれど、生徒さんが許してくれれば、仕事は休めるし、そもそも、生徒さんにうつすと良くないので、仕事を休むことはできる。


でも、大人数で動く仕事はそうはいかなかったり、軽トラさんが指示をだす質ばったりする場面では、仕事が休めないから大変だなあ、と思った。


学生時代の話をした。

わたしは勉強ができそうと言われると、勉強できますよ、と言う。
それはひがまれるからだ。


謙遜して、それでも嫌みを言われるくらいなら最初から堂々としていた方がましだ。

と思ってそうしているのだけれど、軽トラさんは「それは良くないよ。ちょっとは謙遜した方がいいよ』と言って来たので、まるで保護者のようだと思って不愉快になった。


だから、結果的に、わたしがどんな風に勉強して来たか話すことになった。
c71ちゃんはきっと勉強できると思うんだけれども、どんな風に勉強して来たのか、と聞かれたので、授業はちゃんと聴いて、テストでわからなかった問題は三回解き直して、宿題の他に、ドリルを必ずやって、九九が三ヶ月も覚えられなかったから、毎日二百問、二年間自分で問題を作ってやっていたよ、と答えた。


1+1=2になることがわからなくて、つまずいたから、二十二歳になるまでそれがわからなくて、大学の数学の先生に聞いてようやく納得がいったよ、とか、そういう話をした。

だから、努力の量が違う人に、勉強ができていいよね、と言われると、いい気持ちがしないし、親しい人はそんあなことを言わないし、中途半端な人がそんなことを言ってくるのは不愉快だから、不愉快で返すよ、と言った。


そうしたら、そうじゃなくて、きっと、話し方や何かで、頭良さそうだなと思って、軽い気持ちで聞いたりするひともいるはずだから、悪い気持ちだけじゃなくて、すごいと思って聞くひともいるだろうし、それで、c71ちゃんがどういう風に勉強して来たかなんて知らないひともいるんだから、そこはそんなことないんですよ、って言ってもいいかな?と思っただけ、と言っていた。
勉強できる、ってことは、学生時代で大きいことだから、例えば全国大会でスポーツで一位取った、ってよりも、人生に関わることだから、気にする人が多いんだろうし、だから大人になってからでも聞きたくなる人がいるんだと思うよ、と言っていた。ここで書いているより、遠慮がちに言った。

遠慮がちに言っているのもわかったし、損なに強く言われていないけれど、むかついた。だから、保護者みたい!って言った。

軽トラさんは、いろいろ説明してくれた。
どうして、そういうことを言ったのか、話してくれた。その途中で、何度も咳き込んだ。
軽トラさんはひどい咳をしているので、かわいそうだった。
だから、病院行ってきてね、そして、電話してごめんね、と言った。
軽トラさんは、いいよいいよ、ごめんね、心配させて、寝れば大丈夫だし、だいたいいつも熱が出ても、汗かいたら下がるから、と言った。

わたしは、悪かったなあと思った。
そして、良い人だなあと思った。

熱があって、具合が悪いのに、わたしの対人関係のことまで考えて心配して忠告するのって、すごい優しいなと思った。