c71の一日

生活の記録

きらきらしているもの

きらきらしているものを取り戻したい。

わたしには、それがなかった。

きらきらしているはずの、青春時代は、真っ暗だった。
今が一番いい時期だね、と言われると絶望した。ああ、これよりも悪くなるなんて。


毎日死ぬことばかりを考えていた。ここでなら、死ねる、あそこでなら、死ねる。

服を買ってもらったことなんてなかった。綺麗なものを買ってもらったこともなかった。


二十年前のお古を着ていただけだった。中性的な振る舞いをしているときだけ褒められた。

わたしは、髪を長くしてみたかったし、女らしい服も着てみたかった。パステルカラーの儚い風情の服を着こなしてみたかった。雑誌も買ってみたかった。雑誌を見て、camcamとかviviみたいなカッコウをしてみたかった。する機会がなかった。


わたしはきらきらしているものが、今でも欲しい。


だから、きらきらしたパッケージの化粧品に引かれるのだろう。アナスイ

こんなきらきらしたパッケージの口紅が欲しくてたまらない。
それほど高い値段じゃないから買ってしまいたい。
時間は取り戻せないけど、あの頃欲しかったものをわたしは買いたい。


六月から八月まで、年甲斐もなく、ひらひら、ふわふわした服を着ていた。ミニスカートも着ていた。
わたしは超特急で、年齢にふさわしい服を着直している。わたしがミニスカートを履いたのは、年甲斐もないと言われるような年だったし、体形も綺麗じゃなかったけれど、わたしには必要だった。わたしは、今度は、アンサンブルニットと、Aラインの長さのスカートが着たい。シックな、女らしいエレガンスな服が着たい。



きらきらしているものに、わたしは触れてはいけないと思っていた。
そんなことはなかった。
わたしにはきらきらした、思い出だって、ふさわしい。一晩眠れば忘れるようなものでも、わたしは一瞬でも気持ちが上がれば、それだけの価値があるのだ。
わたしは、ほしい、ほしいの、おばけになっている。破産しないようにしないといけない。
お金を貯めなくてはいけない。このペースは少しまずい。


きらきらしたものを手に入れるためには泥の中で浮上していくためにばたつかなくてはいけない。
それは誰もが同じことで、きらきらするのには、とてもたいへんなことがあるのだ。

わたしは美しくなくて良い。きらきらしたものがほしい。きらきらしたものの一部になりたい。