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c71の一日

生活の記録

女の子を劣っていると思わせるものはなにか

わたしは女の子に関する呪いをたくさん聞かされて育ちました。
勉強に関してだけでも、中三からは女の子は伸びない、女の子に数学は向かない、女の子は理系に進まない。女の子は、論理的思考能力がなく、感情的だ。女の子はコツコツ型で、男の子は爆発的に伸びる。


塾で教えていると、まんまとその呪いを真に受けている子がやってきます。
「わたしは文系です」
でも、文系ってなんでしょう?小学生、中学生、高校生、いずれも未成年ですね。そんなに早いうちから、英語と国語と社会ができるなんて決まっているというよりは、勉強量の違いなのでは。


暗記が得意、論理的思考が得意、という個人差はあると思うのですが、教科別の個人差はないと思うのです。
だから、わたしは生徒さんをどちらかと言うと、暗記が得意なのか、論理的思考が得意なのか、分けます。
国語が得意な人は、論理的思考が得意な人が多いのです。
そうしたら、国語、数学、物理などを押し進めて教えます。社会だったら、地理、公民を教えます。
すると、暗記する量が少ない科目なので、すぐに点数が伸びます。
生徒さんはびっくりしながら、はにかんで「先生びっくりしてもいいよ」と言って、テストを手渡してくれます。
わたしは「わお!頑張ったね。すごいね。才能あるじゃん、こんなに短期間で伸びるなんて」
わたしは一ヶ月で、一教科の点数を三十点くらい上げることができます。それは分析力が優れているからです。
それは、女にはない資質だと、述べる大人にはたくさん出会って来て、わたしはそれにいつも反発してきました。わたしには、反発する元気があったのですが、その抑圧に負けて、「分析力がないのだ」と思う人もきっといたと思います。人間は、不思議なもので、できないと思い込ませると、本当にできなくなるのです。これは、大きな社会的損失です。本人にとっても、たいへんな損失です。伸びる可能性があったことの芽を摘まれたわけですから。
人は、誰でも、自分の能力を存分に伸ばして、楽しんで生きていくことができるはずです。
それに反することは、やっぱり許せません。



論理的思考の生徒さんには繰り返し勉強してもらうことで、暗記の代わりに覚えてもらいます。




暗記が得意な生徒さんには、まず、読解力をつけてもらって、ものごとの因果関係を読み取る力をつけてもらってから、暗記に取りかかってもらうと、成績が伸びやすいです。
漠然と丸暗記すると、ものとものとの関係がわからないままなので、やっぱり行き詰まるのですね。
暗記が得意な生徒さんにお勧めな科目は、化学、生物、歴史、国語、英語、数学です。
数学も、公式をまず覚えてもらわないと使いこなすところまでいかないので、論理的思考が得意な生徒さんと順序は変わりますが、やっぱり数学は良く伸びる科目です。
問題の解法のパターンを暗記してもらうことができるからです。




女の子が物理をできない理由は明白です。できないと思い込んでいるからです。そして、できないと思い込む理由は学校の先生からして、女の子には物理が向かないと思っているからです。塾の先生でもそう言うことを公言する男性はいます。
だから、わたしの観測する範囲では、そういうことを発言する男性はいます。
女性もいます。


男社会でも、女の人が実力を発揮し、認められることはあります。でも、それは男の人がラインを引いて、「ここまでなら、脅威にならないから、良いよ」と認めたところまで。
女の人が実力を発揮するためには、男性が「男にはこれが向いている」と前向きにとらえられている中で、戦うので、それ自体にハンデがあります。
また、本当に重要な地位に、女性がいる、ということ自体が希少だと思います。
だから、女流、とか、女性◎◎という言い方が存在するわけですね。
珍しくなければ、そういう名称にならないわけだから、その名称が存在する限り、女性には、見えない天井が存在しているという証明になると思っています。


女流棋士が少ないのも、女性にはそれが向かない、と思っている指導者が一定数いる可能性を示唆しています。


わたしは女の子に数学や物理や化学や生物の面白さを教えます。そうすると、女の子は自分でもできるんだ、と自信や、過去にいろいろなことに興味を持っていた自分自身を取り戻した瞬間に、その科目に時間を割き始めます。
そうです、彼女たちは、あまりにも自信を失いすぎていて、「女の子が苦手なはずな教科」に勉強時間を割くことを最初からあきらめているのです。だって、どうせ無駄だと思っていたから。
だから、わたしがするべきことは、女の子にも理系科目などの女の子には向いていないと誰かが言いそうな科目を、「あなたには才能がある」と伝えるだけなのです。


どうするべきなのか、苦手と思っている原因が何なのか、分析して伝えるだけです。
この前は国語の成績を30点挙げた生徒さんがいました。一ヶ月で、それだけあがりました。
わたしは宿題で、古文と現代文の文章を毎日一ページ音読するという宿題を出しただけです。
その子は律儀に毎日こなしました。
そうすることで、ゆっくりと、早合点せずに、正確に文章を読む、ということを時間をかけて理解しました。そうして、読解力がないといつも言われていた生徒さんが「自分には読解力があるのだ」という発見をしたわけです。読解力がない、と言われていても、どうすれば読解力が身に付くのかは言われていない生徒さんでした。わたしはその子に読解力がないとは思いませんでした。
だって、数学はできていたから。
読解力がないと思っているから、時間をかけないで読むことが多く、急いで、飛ばすように、単語だけを拾うように読んでしまい、細部まで読ませることをやめさせていたのです。
同じ理由で、英語ができませんでした。
問題文を落ち着いて読んで、何を聞かれているのか、考えなかったのです。
それは、読解力がない、と言われ続けていたから、「読解力がないのだから、読むことを避けよう」と思ったり、「問題を解くことが遅いのかもしれないから、より急ごう」という思考になっていたのです。だから、音読をすることで、ゆっくり文章の最初から最後まで読むことを指導しました。
そうしたら、一ヶ月で国語が30点上がり、長文も文法も古文もできるようになったのです。


男の子には、「君は男だから数学は伸びるよ」という人は多いと思います。でも、女の子には逆のことを言う人が、今でも一定数いるのが現実です。
女の子は陰湿だ、女の子は難しい、女の子は……。女の子は体力的に劣っている、女の子は生物的に劣っている。
そういうことに、どうして理があるでしょうか。
女の子は劣っている?どういう意味で?
走るのが遅い?力が弱い?でも、走ることの早さや力の弱さは、機械化された社会でそれほどハンデにならないですね。
女の子はからだの感覚に敏感で、疲れたらすぐに休むことができる。これは生物学的に強いことです。長生きできますからね。でも、それをもって、「女の子は生物学的に強い」という人はいません。見たことがありません。



女の子は言語能力に優れている人が多いと思います。良く出会います。でも、「女の子は言語能力が高いから、人間社会をわたるために優位な特質を持っている」という意味で、励ます人を見たことがありません。言語能力の高さは、社会でやっていくために、とても有用な能力だと思います。


男性社会の中では、男性がその女性を登用するか決めます。
ということは、男性が自分自身のライバルになりそうな場合だったら、その女性を登用しない場合の方が多いでしょう。また、端的に言って、女性は(出産機会や子育て期間があるから)足手まといだ、という考えを持っている男性が多いので、それだけで、女性は機会を損失しがちです。
そこを「女性が劣っている」と考えている人が、いろいろな人の中にまだ存在するわけです。
出産機能を持っていることは、生物の優劣を決めません。でも、会社や仕事などの世界では、それは、邪魔なこと、だからそれを持っているひとは劣っている人、という連想をしている人がやはり多いのです。

そんな中で、女性の賃金は、大卒の女性と中卒の男性を比べると、給与が同じくらいというデータがあるそうです。女性の賃金は、正社員同士で比べると、男性の半分程度です。
それをもってみても、女性がきちんと認められ、実力を評価されているとは言えないのではないでしょうか。


わたしは、子どもを教えるにあたって、その子ができないと思い込ませられている呪いを解くだけで、成績がどんどん上がる、という体験を何度もしています。
それはデータではありません。だから、証拠を出せと言われても難しいことです。
呪いを解きさえすれば、その教科に向き合って、勉強時間を作って、できるものだと思ってやることで、理解力を上げていく、ということを経験しています。
そうすると、女の子に必要なのは、「あなたは劣っていない」というエンパワメントに尽きるのではないのかと思います。


賞賛されながら成長していく男の子、呪われながら、成長する女の子(しかも、できすぎても、できなさすぎても、抑圧される、ダブルバインドつき!)。


女の子は、幼児の頃から、与えられる玩具自体が違います。
女の子はそれが好き、男の子はそれが好き、と大人が思い込んでいるので、子どもたちの行動は、それに合わせて強化されます。
その強化された行動をみて、大人たちは「やっぱり」と頷くのです。

その、今も続く、歴史の中で、女の子をエンパワメントする、というのは自覚的にしなくてはならないことです。


(女の子と書いたのは、子どもを見ていて思ったことが多いからです。女性に置き換えて読んでもらってかまいません)


(劣っていることと、尊重しないことはさらに別なんだけどね。
劣っていて悪いか!!!という立場も大切だし、劣っていたとしても、尊重しろ!というのも常に言っていかないといけない。)

(男の子への過度の賞賛も、くせもので、「こうあるべき」という規範にはまらない人は苦しむし、やっぱり呪いのひとつだと思う)


続き 男女編c71.hatenablog.com

実話だろうか、という意見もあったので、実体験を語ってくださった方の話si0r1.hatenablog.com

c71.hatenablog.com

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